アキューの冒険 リノンの受難


 アキューは、一応トレジャー・ハンターらくしランプを持っていた。
 言い忘れていたけれど、アキューの職業は一応トレジャー・ハンターだ。けれども、アキューが遺跡を見つけたことはない。すでに発見されている遺跡に入って、細かいお宝を手に入れてくるのだが――実際は僕が手に入れていると言っても過言じゃない。アキューは罠とか全然気にしないで探索するもんだから、危なくて危なくて。そんなアキューがお宝に辿りつけるわけもなく。僕がある程度道標になってあげないと、本当に生きて帰ってこないんじゃないかと思う。
 そんな僕の苦労も知らず、今日もやっぱり、アキューは回りに気にも止めずに元気よく歩いてゆく。
 三十分ぐらい歩いた頃だろうか。アキューは少し疲れたらしく、僕の方を振りかえった。
「休憩しようか」
 僕が先に言うと、アキューはものすごく嬉しそうな顔をした。
 妙なところで我が強いアキューは、自分から「休みたい」と言おうとはしない。それなりに、頑張りやさんなのだと思う。それで余計に守ってやらなければな、と思ってしまう。
 十分ほど座りこんだ後、アキューは元気よく立った。本当に分かりやすい子だ。僕の手を引っ張って、再び歩きだす。
 数歩歩いたぐらいだろうか。アキューが前につんのめった。
「うきゃっ!」
 まるで猿のような声を上げて、アキューが転がってゆく。もちろん、手をつかまれている僕も一緒に転がる。
 耳にはズサササ、みたいな地面をこする音が聞こえてる。体にスピード感があるところを見ると、どうやら坂を滑り落ちているんだろう。そんな気がする。
 アキューは、たぶん……罠か、自然にできたかは分からないが、その穴にはまったんだろう。この長さだと、また登るのは大変かもなぁ。
 しみじみと考えていたら、体がポンとどこかに投げ出された。
「うっひゃああああああああああああ」
 何やら長い悲鳴をあげるアキュー。結構な高さがあったら問題なので、僕が魔術を組もうとした、その時。
 フワッとしたものが体を包んだ。同時に白い物が目の前に飛び散った。それに、ポカポカと体が暖かかった。
 身を起こして辺りを見渡すと、白い羽毛で周囲は埋め尽くされていた。
 鳥の巣? にしては異常な羽毛の量。辺りはほんのり明るく、舞い散る羽が幻想的だった。






本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース