2 ゴメンなさい、責任持ちます。16


 少し馬を走らせただけで、熱を体に感じた。赤黒い炎が、遠くで
上がっている。
「何があったんだ……」
 シュウは馬のスピードをあげた。
「わかりません。私のところには、国境の一部がトランザ領側から
破壊されたと言うことだけ。それ以後の連絡は途絶えています」
 領境を監視している兵士からだけの報告しか受けていないようで
ある。
 と、上空を真っ赤な石が煙を吹いて通りすぎていった。
「ま、まさか……」
 シュウがそう呟いた途端、轟音が地面を揺らした。
 続いて熱波が襲ってくる。馬がいななき、足を止めた。
 シュウは馬から振り落とされそうになるのを懸命にこらえ、馬を
なんとか落ちつかせる。
「シュナイザー様、あれはもしや……」
「禁忌とされている術……メテオ」
 いつの間にか、ロイが隣りにいた。ロイの背後には、若干名の元
反乱軍がいる。
「ロイ! 無事だったのですね」
「あ、ああ……一回帰ろうと思ったんだが、仲間に捕まって酒場で
飲んでた――それが幸いしたが……大胆な手を使いやがって!」
 ロイはそう言うなり、馬を走らせた。
「禁術は三度も打てないだろ!?」
「え、ええ。そもそも禁術を扱える人間が一人であれば今ので終わ
るでしょうが」
 シュウはそう答えてロイの後を追った。
「そうか。他にもいたら厄介だ。トランザの領内に直接入りこむか」
 ロイはそう言って馬を飛ばす。シュウはエクサに言った。
「すぐに魔術師部隊を動員! エスカイザ様と、父上に報告してすぐ
に兵を転送するように」
「了解いたしました」
 エクサはそう言って卵話を取り出し、通話を始める。
 領境に近づき、シュウは唖然とした。
 領境の高い壁の一部が真っ赤に燃え、溶けて穴を開けていた。落と
された隕石は、木々をなぎ倒し、森を焼き、その転がった跡は高温で
焼かれ、溶けた土が煙をあげて道を作っていた。
 その、溶けた壁の合間から巨大なゴーレムが顔をのぞかせた。一歩
踏み出すたびに、あの地響きが聞こえてくる。
「そんな……」
 シュウは思わず息を飲み、顔を青ざめさせた。
 壊れた壁の間から、次々とゴーレムが姿を現す。
 巨大な兵士が無言の行進を始めた。



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