海と空の瞳

 ふわり、と翼の生えた杖を手に、彼女は舞い降りた。
 最近の魔女は、ほうきじゃなくて翼の生えた杖一本で何でも事足りるんだ。
「待った?」
 彼女はそう言って僕に近づいてくる。僕は微笑んで答えた。
「ちょっとだけね。さ、行こうか」
 そ、彼女と今日はデートだ。いつも軽く微笑んでいる彼女。
 でも、今日は少し寂しげな表情をしている。

 僕は、彼女と歩きながら尋ねた。
「どうして今日は寂しそうな笑顔してるのさ」
 彼女はやっぱり少し寂しそうに微笑んだ。しばらく話しづらそうにしていたが、ため息を一つつくと、僕の顔をじっと見つめて話し出した。
「私の瞳って、左右の色が違うでしょう……それで、ちょっとね。同じ魔女でも、お前は縁起が悪いって」
 僕はそれを聞いて、胸が詰まった。たったそれだけのことで、彼女を悪く言うなんて。
 彼女はとても優しい人だから、きっと何を言われてもただ微笑むだけなんだろう。
 僕の胸がきゅっと締まった。
 僕は彼女の頬に触れると、言った。
「君は縁起が悪いなんて言う人は、きっと君に嫉妬しているんだ」
 僕がそう言って言葉を切ると、彼女は不思議そうに首をかしげた。
「だって、君の右目は海の青。そして、左目は空の青じゃないか。二つに祝福されているんだよ、君は」
 僕はそう言って、嬉しそうに微笑む彼女の唇に、そっとキスをした。



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